• たけうち診療所

おすすめの本を聞かれる時

更新日:4月20日

こんにちは。

こういう仕事をしていると何かお勧めの本はないですか?とご本人やご家族に聞かれることが昔はよくありました。特にご家族に聞かれることが多かったです。

そう言われましても、駆け出しの浅学の徒。不勉強の極みのような学生時代を過ごしたこともあってか読みやすい本を探す自信は人一倍ありました。が、残念なことに精神科の書籍で読みやすいものがほとんどなく、自分のための手軽な本を見つけるさえ四苦八苦していました。あるとしても「中山の現代精神医学大系」(と呼ばれる精神科版百科事典集)ぐらいで、そんな事典全十数巻を勧めるわけにもいきません。論文を渡しても困った顔をされるだけでしたし。さりとて懸命にファントム空間論を説明しても。


ですので、それなりに読んで面白くて患者さんの現状や今後に役に立ちそうな本(非専門書。自己啓発系にも分類されないレベルの書籍です)をお勧めするのですが、結局「役に立ちました」と言われたことはなかったです。結構一生懸命考えたのですが、全部的外れだったのでしょう。精神科医としてどうなんでしょうか。


自分を振り返っても他の方に勧められた本がとても役に立ったという経験は意外に少なくて(御免なさい)、ふと目にした本が何か気になり読んでみたら抜群に面白かったという経験の方が多いようです。その時のおかれた状況や心境が大事なのかもしれません。高校の時にふと手にした「火車」(宮部みゆき)や「リバーズ・エッジ」(岡崎京子)は強烈でしたから。


そういえば、読みやすい専門書が出てきたのは最近でしょうか?

新研修医制度になってからよりマニュアル的でプラクティカルな本が出てきて、さらに一般向けの書籍もたくさん出てきた気がします。DSMの流れなどもあるのでしょうが。まぁ、気がしているだけです。きちんと調べてはいません。

それと一時のうつ病ムーブメントもそれを後押ししていたのかもしれません。間口が広くなればなるほどいい本も増えてきた気がします。今は「本屋さんに行ってちょっと気に入った本を選ぶといいですよ」と言えるのが助かります。選び方のポイント(と言いますか選んではいけないポイント)だけお伝えすれば良いので。自分で選ぶのが一番です。失敗したとしても。


まとまりのない話になりました。結局、僕が勧めさせていただいた本はあまりお役には立っていなかったようです、ということです。昔も今もあまり変わりないです。






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